欧州の39カ国が加盟している欧州特許庁(European Patent Office:EPO)によると、2022年に同庁が出願を受け付けた特許件数は前年比2.5%増の19万3460件となり、過去最高を更新したという。
技術分野別で最多だったのは、デジタル通信分野で、前年比11.2%増の1万6705件、次いで医療技術が同1.0%増の1万5683件、コンピュータ技術が同1.8%増の1万5193件、電気機械・器具・エネルギー技術が同18.2%増の1万3951件となっている。中でもバッテリが電気自動車(EV)の伸長を背景に同48%増と伸びている。デジタル技術における特許出願の増加は、輸送、農業、ヘルスケアなど、複数分野にわたっているが、半導体は特許出願数トップ10の分野に入らなかった(出願件数は同19.9%増の4366件)。
国別ランキングで日本が3位に、企業別ではソニーが10位にランクイン
国別で出願件数を見ると、トップは米国の4万8088件、次いでドイツの2万4684件、日本の2万1567件、中国の1万9041件、フランスの1万900件、韓国の1万367件となっている。欧州は、医療技術や機械・エネルギー分野での出願が多く、米国はデジタル通信、コンピュータ技術、医療技術での出願が多い。また、中国は、デジタル通信分野が突出して出願が多いほか、日本はまんべんなく出願されており、すべての分野が数%内に留まっている。例えば日本の出願数のうち、半導体は2.7%を占めたに過ぎない。
企業別の出願数ランキング上位10社を見ると、欧州勢が4社、韓国2社、米国2社、中国と日本からそれぞれ1社ずつとなっている。トップは2021年同様、Huaweiで、最先端および次世代モバイル分野で強みを発揮している。2位は韓LG Electronics、3位はQualcomm、4位はSamsung Electronics、5位はEricsson、6位にSiemensと続く。日本勢は10位にソニーがランクインしたほか、25位まで見るtお、19位にパナソニック、20位に日立製作所、24位にキヤノンが入っている。50位までにすると33位に富士フイルム、38位に三菱電機、40位に日本たばこ、43位にNTTドコモ、49位にトヨタ自動車、50位にダイキンが入っている。
伸び悩む日本の欧州への半導体特許出願数
過去10年間、EPOに出願された主要国・地域別の半導体関連特許出願数の推移を見ると、日本を除いて増加傾向にあることが気がかりなところである。日本は2023年に838件で欧州に次ぐ2位の規模であったが、その後は出願数が微減傾向となっており、他国が伸ばすなか、徐々に順位を落とす結果となっている。