エイトレッドは4月27日、物流業の経営者を対象にした「2024年問題」と社内DXに関する実態調査の結果を発表した。これによると、6割以上が社内DXを推進できておらず、採用の困難さや生産性の低さなどの経営リスクを懸念しているという。
同調査は同社が4月14日~17日にかけて、IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査として実施したものであり、有効回答者数は物流業の経営者106人。
物流業界における2024年問題の対応に向けて、社内DXの推進に取り組んでいるか尋ねたところ、「あまり取り組めていない」が32.1%、「全く取り組めていない」が31.1%と、計6割以上が取り組めていない。
「かなり取り組んでいる」「やや取り組んでいる」という回答者に、具体的な取り組みを聞くと、「労務・勤怠管理ツールの活用による管理業務の効率化」が68.8%で最も多く、「ペーパーレス化によるコスト削減」が40.6%で続く。
同じく、社内DX推進に取り組んでいるという回答者に、それにより従業員の残業時間を減らせているか質問したところ、「かなりできている」が15.7%、「ややできている」が56.2%だった。
残業時間を平均してどの程度減らせたかを聞くと、「10時間以上」が39.1%、「7~10時間未満」が21.7%だった。
社内DX推進に取り組んでいるという回答者に、従業員の賃上げに繋げられたか尋ねたところ、「かなりできている」が9.4%、「ややできている」が37.5%だった。
賃上げができているという回答者にその程度を聞くと、「5%以上」が20.0%、「4~5%未満」が6.7%だった。
社内DX推進に「あまり取り組めていない」または「全く取り組めていない」という回答者に、2024年問題による経営リスクを感じているか尋ねたところ、「非常に感じている」が29.8%、「やや感じている」が29.9%で、6割近くが経営リスクを感じている。
経営リスクを感じている回答者に具体的な懸念事項を聞くと、「ドライバーの採用がより難しくなる」が57.5%で最も多く、「生産性の低下に伴う売上・利益の減少」が52.5%で続く。
全員に、2024年問題対応で今後行っていきたい対策を質問したところ、「働き方改革による労働環境・条件の改善」が40.6%と最多であり、「労務管理の把握・見直し」が38.7%で続いた。
稟議や申請・承認(決裁)業務を主にどのような方法で行っているかを尋ねると、「Word、Excelに記入し印刷して申請」が32.1%で最も多く、「紙に手書きして申請」が29.2%で続く。
今回の調査結果を受けて同社は、「今後取るべき対策として一番に挙がった『働き方改革による労働環境・条件の改善』を実現するためにも、ワークフロー・システムの導入・活用を始めとした社内DX推進への一歩を一日でも早く踏み出すことが重要となるのではないでしょうか』と提言している。