TrendForceによると、2022年第4四半期のファブレス半導体企業売上高トップ10(上場企業のみ)の合計額は、市場減速や対中半導体規制などの影響から、前四半期比9.2%減の339億6200万ドルにとどまったという。
同社では、2023年第1四半期も継続的な在庫調整が続いていること、伝統的にオフシーズンであることなどから、市場は弱含んだままとの見方を示している。
トップ5で市場の影響をもっとも受けたのはMediaTek
トップ10社のうち5社が、市場低迷の影響から2022年第4四半期の売上高は前四半期比でマイナス成長を記録した。売上高トップは、スマートフォン(スマホ)ならびにIoT事業の減収により、全体としても同20.3%減の78億9200万ドルとなったQualcomm。2位のBroadcomが同2.4%増の71億200万ドルと伸ばしたものの、僅差で首位を維持した。
3位はNVIDIAで、同2.7%減の59億3100万ドル。ハイエンドGPUの発売と車載需要の増加から、ゲームおよび自動車向けでの売上増が、データセンターおよびプロフェッショナルビジュアライゼーションセクタの売上減を相殺した形となった。4位はAMDで、同0.6%増の55億9900万ドル。データセンター向けCPU「EPYC」の採用率向上ならびにFPGA/DPUビジネスの伸長が下支えした模様である。
そして5位は台MediaTekで、主軸のスマホおよびコンシューマ向け製品群が軒並み市場の影響を受け、同26.2%減の34億4900万ドルとなった。中でもスマホ向け半導体の売上高は同約30%減と、大きく減速したという。
トップ10唯一の2桁成長を達成したNovatek
6位はMarvellで、主にストレージサーバ市場の減速の影響で、同4.8%減の14億5800万ドルにとどまった。台Novatekで、トップ10社中唯一の2桁成長となる同11.2%増の7億1500万ドルを記録。第3四半期に7位だったRealtekがPC需要の減少に伴うEthernet製品の売上減、中国への輸出規制などの影響から同29.1%減の6億9400万ドルと大きく売り上げを落としたこともあり入れ替わりで7位がNovatek、8位がRealtekとなった。Novatekの業績が好転した背景には、2021年第4四半期から続いたディスプレイパネルの在庫調整が2022年末までにある程度落ち着きを取り戻し、在庫の積み増しが始まったためであるという。
9位はCirrus Logicで同9.3%増の5億9100万ドル。同社の売り上げの80%以上をAppleが占めており、その比率は繁忙期には90%を超すほどである。同四半期は新型iPhoneのリリースもあり、売り上げを伸ばしたとみられる。
そして10位は中Will Semiconductorで、新型Androidスマホの需要増を受け、同2.7%増の5億3100万ドルとプラス成長を達成したという。