NTTコミュニケーションズ（以下、NTT Com）は4月27日、NR-DC（New Radio-Dual Connectivity）を用いたローカル5G（第5世代移動通信システム）における通信の高速化と、NR-DCを活用した高精細4K映像の同時伝送を図る実証実験に成功したことを明らかにした。この実験はサムスン電子ジャパンと共に実施したという。

通常、SA構成（Stand Alone）のローカル5G環境ではSub6もしくはミリ波のどちらか一方を使用して通信を行う。今回は将来的なユースケースを想定し、2つの周波数を同時に利用することでより高速な通信を可能にする、NR-DCをローカル5Gで利用する実証実験を行った。

実証では、「ドコモ 5G DX スクエア in 赤坂」（東京都 港区）にSub6とミリ波の2つの電波を同時に送受信できるよう設定したサムスンのローカル5G基地局を構築し、ローカル5G端末と接続できるかを検証した。

  • 実証に用いたローカル5G装置

    実証に用いたローカル5G装置

実証の結果、理論値（受信時3.49ギガビット / 秒、送信時390メガビット / 秒）に近い受信時平均3.1ギガビット / 秒、送信時平均337.3メガビット / 秒の通信速度を確認できた。また、ローカル5GにおいてNR-DCが利用できていることや安定して高い通信速度を維持できていることも確認している。

  • 通信速度測定結果

    通信速度測定結果

さらに、NR-DC環境下においては、4K映像3台分の負荷をかけた状態での高精細4K映像の同時伝送についても、映像のカクツキなく伝送できたとしており、NR-DCの有効性を示せたとのことだ。

  • 高精細4K映像伝送試験

    高精細4K映像伝送試験