大和自動車交通、日本交通、NECは4月27日、タクシーの運行管理の高度化に向けて、デジタル技術を活用しタクシー乗務員の健康状態や日々の運転状況を可視化する実証を2023年1月から4月に実施したと発表した。

今回3社は、個々人の感情や疲労・眠気を分析するサービスと、安全運転支援サービス「くるみえ」を組み合わせて、タクシー乗務員の健康状態や日々の運転状況を可視化することで、乗務員の健康管理、勤務管理、運転指導など、運行管理の高度化を図ることを目的に実証実験を実施した。

実証実験では、乗務員が身に着けたウェアラブルデバイスで取得した心拍変動データなどが利用された。それらのデータについては、モバイル運転免許証の国際規格である「ISO/IEC 18013-5 Mobile driving licence application」に基づき実装したスマートフォンアプリにデータを集約した。

  • タクシー乗務員の健康状態や日々の運転状況を可視化する実証実験の概要

    タクシー乗務員の健康状態や日々の運転状況を可視化する実証実験の概要

実証実験の結果、乗務員により業務中の感情の現れ方や、ヒヤリハットの頻度には差が生じており、感情の起伏が少ない乗務員はヒヤリハットが小さいことを確認できたという。さらに、長時間の運転の状況の中で、周期をもって現れる眠気の強弱の発生が確認できたそうだ。

今回の実証結果を踏まえて、3社は疲労の見える化による効率的な勤務管理、効果的な運転指導、安全運転サポート機能など運行管理の高度化に取り組む。