凸版印刷は4月27日、従来のホログラムとは異なる構造を持ち、傾けると文字や絵などの潜像が現れる効果持つホログラム技術「トワイライトグラム」を開発したことを発表した。専用の器具や知識を持たない一般消費者でも目視で潜像の出現を確認できるため、容易に真贋判定できるようになるという。
ホログラムの像は、光の回折を利用している。真上から入った光がホログラム表面の微細構造により回折光となり人間の目に届くことで、ホログラム独特の輝きが生まれる。従来のホログラムの構造から生まれる回折光は「色の角度対称性」の性質を利用しており、見る角度が同じであれば左右でどちらも同じ色に見える性質を持つ。
一方で、今回開発したトワイライトグラムの構造は、見る角度が同じであっても左右の方向が異なれば見える色が異なるという、「色の角度対称性が崩れた」回折光となる。
同社が提供する、パステル調の構造色を発色するホログラム「Secure Color」や、ライトを当てると潜像が浮かび上がる「イルミグラム」など、既存技術との組み合わせも可能だ。また、スマートフォンを用いてIDを読み取ることで真贋判定ができるクラウドサービス「ID-NEX」との連携にも対応する。
既存のホログラム技術や模倣品対策サービスと組み合わせ、偽造を困難にし、偽造や模倣品の流通を防ぎたい医薬品、化粧品、高級ブランド品、機械・部品、ライセンスグッズ、金券などの用途に向けて提供するという。
サイズやデザイン、他技術との組み合わせなどによって価格は変動するが、100万枚製造時は1枚当たり5円から。