GNUプロジェクトは現地時間2023年4月26日、GNU Compiler Collection(コンパイラーコレクション)の最新版となるGCC バージョン13.1をリリースしたと、メーリングリストに投稿した。バイナリーページからは、AIXやDOS(DJGPPベース)、HP-UX、macOS(Homebrew/MacPorts)、Windows(Cygwin/MinGW&mingw-w64)、UNIX(OpenPKG)向けバイナリーファイルへのリンクを用意し、国内ミラーサイトからソースコードを入手できる。GCCバージョン13はOpenMPやOpenACCによる対応範囲の拡大やリンク最適化の改善、同バージョン13.1もStatic Analyzer(静的解析)を強化して20の診断を追加した。

  • GCC 13のパッケージを展開した状態

    GCC 13のパッケージを展開した状態

本バージョンでは単体提供していたModula-2用のフロントエンドを統合し、将来的にはRust用フロントエンドとの統合を目指している。C用フロントエンドおよびC++用フロントエンドは、次期標準となるC23の機能を実験的にサポートした。他にもLink Time Optimization(リンク最適化)がGNU makes jobserverを標準的に使用し、makefileの変更を不要にしている。なお、本稿執筆時点でWeb上のChangelogは更新されていない。また、GCCのソースコードをコンパイルするには、算術演算ライブラリーのGMP バージョン4.2以上、浮動小数点数演算ライブラリーのMPFR バージョン3.1.0以上、複素数演算ライブラリーのMPC バージョン0.8.0以上など多くのライブラリーパッケージが必要となる。