AI CROSSは4月26日、ノーコードAI分析サービス「Deep Predictor」を5月8日から提供開始すると発表した。同サービスはデータ分析だけでなく、最適な施策とその根拠、定量的な効果もAIを利用して導き出すことで、経営層や現場担当者によるAIを活用した意思決定が容易になるという。
同社では2022年にデータサイエンティストやコンサルタントからなる専門組織を設置し、独自AIを用いたシステム開発やお客さまのAI活用企画・運用設計支援を行っている。
新サービスは、従来データサイエンティストが行っていたAI分析を直感的なユーザーインタフェースで実行でき、高精度な予測分析や最適な施策、その効果や根拠を得ることで、マーケティング、営業、顧客サポート、生産管理など多くの分野で効率的な活用を可能としている。
独自のAIシミュレーションで、どの施策をいつ実行し、どのような効果が期待できるかを根拠とともに予測できるため、データに基づく意思決定を支援。例えば、優良顧客を特定し、営業活動によってLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が向上する可能性を根拠とともに示すことで、現場の納得感を得て営業活動の効果を最大化できるという。
また、テキスト、カテゴリ、数値データなど、さまざまなデータ(マルチモーダルデータ)を利用し、学習・予測することが可能。顧客アンケートなどのテキストデータも機械学習のデータとして利用できることから、離脱率や購買意欲の分析精度が高まるという。
さらに、データに合わせて複数のアルゴリズムで学習し、各々のアルゴリズムの長所を活かして組み合わせるオリジナルのAIモデルを構築するため、高精度な予測ができる。専門知識を必要とするアルゴリズム選定やチューニングを自動で行うため、データサイエンスの専門家でなくても利用できるという。
オプションの「AI活用支援サービス」では、AI導入の相談からデータ定義・加工、初期モデル構築、運用のためのスキル習得講座まで、一貫したサービスを提供する。
今後、予測データの精度を向上させるとともに、AIシミュレーションの機能強化により施策パターンの提示を増やすことで、利便性を高めるとともに、同社の主力サービスであるSMS送信サービス「絶対リーチ!SMS」にも活用し、配信タイミングやテキストの最適化で、効果的なコミュニケーションを提案するという。
主なユースケースとしては「金融業界における督促業務」「人材業界における求人広告の最適化」「製造業における歩留まり改善」などを想定している。
金融業界における督促業務では、過去の督促実績データを用いて、誰にいつ、どのチャネルで連絡すれば返答が得られるかを予測するAIモデルを構築。AIモデルを活用し、顧客の属性や債務状況に基づいてアプローチ条件を見直した場合のコスト削減効果をレポート化できます。効果的なアプローチ方法を示すリストを作成することで、すぐに業務改善効果を得ることを可能としている。
人材業界における求人広告の最適化については、求人結果のデータを用いて、求人条件や文言、外部環境が応募数にどのように影響するかを予測するAIモデルを構築。将来の外部環境や必要な応募者数などの制約条件をAIモデルに入力することで、求人広告を効果的に改善する方法を提案できるという。
製造業における歩留まり改善では、生産実績データを用いて、不純物が増える条件を予測するAIモデルを構築。添加物の投入量や設備の設定値を再検討し、制約条件を守った上で生産計画を改善できます。改善策の経済的な効果やその根拠を報告することで、現場や経営層が納得し、すぐに実行に移すことが可能だという。
販売戦略は同社の既存サービスである絶対リーチ!SMSの顧客5000社に対してSMSの運用改善に利用を促し、新規顧客はドコモgaccoをはじめとした教育系企業やアイシスといったSIer、アステリアなどノーコードツールの企業と連携して獲得を目指す。
なお、価格はいずれも税別で導入費用が100万円、年額96万円~、モデル構築前後の要件定義やデータ収集・整備、業務システムへの統合などを含めたオプションAI支援活用サービスは個別見積もりとなる。