isapceは、4月26日未明に行った「HAKUTO-R」ミッション1の月着陸船(ランダー)による月面着陸について、同日8時時点でもランダーとの通信の回復が見込まれず、月面着陸を確認した際に達成されるマイルストーン「Success9」の完了が困難との判断を下したことを明らかにした。
同社によると、8時時点のデータからミッションコントロール(地上管制室)にて、着陸シーケンスの終盤、ランダーの姿勢が月面に対して垂直状態になったことまでは確認したものの、着陸予定時刻を過ぎても着陸を示すデータの確認ができていないという。その後ランダーの推進燃料の推定残量が無くなったこと、および急速な降下速度の上昇がデータから確認され、最終的にテレメトリの取得ができない状態となったともしており、これらの状況から、ランダーは最終的に月面へハードランディングした可能性が高いと考えられるとしている。ただし、当初予定していたソフトランディングではなくハードランニングが発生した要因については、8時時点ではこれまでに取得したテレメトリの詳細解析を進めている段階であり、まだ分からないとしている。
これらの結果を踏まえ、ミッション1における月面着陸および通信の確立というSuccess9について達成が困難であると判断したと同社では説明する一方、設定した10段階のマイルストーンのうち、Success8までは成功しているほか、Success9においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現するうえでの貴重なデータやノウハウなどを獲得することができ、これらの知見をミッション2以降にフィードバックしていくことで、今後の月面探査に役立てていきたいとコメントしている。
なお、同社では2024年にミッション2を、2025年にミッション3を実施することを予定しており、それらに今回のSuccess8までの運用と着陸シーケンス中に得たデータやノウハウを活用していくとしている。