1885年創立の総合物流企業・日本郵船は、2022年までの中期経営計画「Staying Ahead 2022」で「Digitalization & Green」を掲げ、DXやイノベーションに注力している。今年3月に発表した中期経営計画「Sail Green,Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing -」では、2030年に向けたビジョンとして「総合物流企業の枠を超え、中核事業の深化と新規事業の成長で、未来に必要な価値を共創します」を掲げ、さらなる進化に向けた取り組みを進めている。

そんな日本郵船で今年3月末まで執行役員を務めた後、日本郵船の研究開発を担うMonohakobi Technology Institute(以下、MTI)の顧問に就任した鈴木英樹氏が、4月18日に開催された「ビジネス・フォーラム事務局×TECH+フォーラム DX Day 2023 Apr. イノベーションのかたち」に登壇。「遊びの勧め」と題した講演において、自身の経験を基に、DXやイノベーションを推進する上で大切にしていること、そしてそれらのプロジェクトを率いるリーダーが持つべき視座などについて話した。

  • 日本郵船が目指す姿

原動力は好奇心

鈴木氏は講演を「NYKとは」という問い掛けからスタートした。これは同氏がキャッチフレーズとして社内に広めている「N:悩んでいないで、Y:やってみようよ、K:君の手で」を示している。

また、同社で1971年~1978年まで社長を務めた菊池庄次郎氏が語った「堅固な戦略を背景に、計画をきちんと立てて、経営する時代は終わったようだ」といった言葉を挙げ、日本郵船自体も早い段階から“(興味を持ったら)まずはやってみよう”という精神を持っていた企業であることを紹介した。

鈴木氏の原動力も好奇心だ。いかに時間をつくり、やりたいことをやれるかが大切だと言う同氏は自身のビジョンを「余剰の創造」「価値の創造」「知(人財)の創造」だと説明する。

「DXで余剰を創造し、イノベーションで価値を創造すると、新しい世界が始まります。その中心には人がいるべきで、人あってのDX、イノベーションなのです」(鈴木氏)

イノベーションを起こすには?

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