九州大学(九大)は4月19日、「九州大学頭脳バンクQ-Brain Bank」制度を創設し、現役教員が研究開発に専念できる研究環境を築く制度を始めたことを公表した。
この「九州大学頭脳バンクQ-Brain Bank」制度は、現役の教授などの教員が担当している講義や学内の委員会の委員などの職務を、九大を定年退職した教授などの教員にアウトソーシングする制度で、現役教員が研究開発業務に専念できる研究開発環境を設ける支援策になっている。
この制度を実施することによって「現役教員が自分の研究開発業務に集中する態勢を築くと同時に、定年退職した教員の能力や知識などを活用することによって、外部機関の研究開発ファンドの獲得や学生の教育・研究指導などの支援などを高度化でき、学内に高度な“知のプラットフォーム構築”が可能になる」と、九大理事会は説明する。
このQ-Brain Bankは、九大内のWebサイト上に、定年に達した元教員に対して、現役教員が依頼したい講義内容や業務内容などを依頼するマッチングシステムとして構成されている。さらに、このQ-Brain Bankは「現役教員がサバティカル制度を利用する際や、フリークォーター制度(研究活動のために、原則1クォーター・3カ月間の間、教員の教育や管理運営業務を免除する制度)などにも適用できる制度にもなっているなどと、現役教員が活用しやすい有効な制度になる設計になっている」という。
九大の荒殿誠(あらどのまこと)理事・副学長・プロボストは「九大の現役研究者・教員が研究に没頭できる時間の確保が何より大切なので、本制度(Q-Brain Bank)によって、定年退職した教員の能力や経験、人脈を生かすことで、九大の教育研究力の向上が期待できる、いい制度になっている」と、説明する。
注:プロボストは、筆頭理事などと訳され、総長をCEO(最高経営責任者)と考えると、その実務を先頭に立って実施するCOO(最高執行責任者)に例えられる役職