NTTドコモ(以下、ドコモ)は4月24日、小型モビリティシェアサービスにおいて、再配置とバッテリー交換作業を同時に最適化したルートをAI(Artificial Intelligence:人工知能)によりレコメンドする「シェアリングオペレーション最適化システム」を開発したことを発表した。このシステムはドコモ・バイクシェアの自転車シェアサービス「ドコモ・バイクシェア」で導入し、東京エリアの再配置業務に順次活用する。
小型モビリティのシェアリングサービスは、街中に設置されたポートで小型モビリティを利用者が自由にレンタルし、返却できるサービス。利用者の増加が見込まれる一方で、貸し出しと返却の拠点であるポートの数や車両台数の増加により、ポートごとの車両の配置数やバッテリーの状態などを適正に保つ「再配置業務」の負担が課題になっているという。
同社が今回開発したシステムでは、最適化した再配置ルートをAIが生成し、再配置を担当する作業員にレコメンドする。機械学習によって予測した将来の需要予測に基づきシミュレータで車両の動きを再現することで、ポートごとの貸し出し可能車両台数やバッテリー切れ車両台数の予測値を算出し、作業を行うポートの順序と各ポートでの車両の回収・配置台数やバッテリー交換台数を最適化した再配置ルートを生成する。
作業員は、生成された再配置ルートをタブレット端末などで確認しながら再配置業務やバッテリー交換業務を実施する。同システムは、貸し出しと返却の履歴の実績データや気象データ、曜日や時間帯などのさまざまなデータを組み合わせることで需要予測を行う。
トラックに積載されている車両台数、バッテリー数やトラックごとの最大積載可能台数、ポート間の移動距離など現実に即した情報も考慮することで、その時々の状況に合わせた再配置ルートの生成を実現したとのことだ。