米Googleは4月21日(現地時間)、試験提供中の対話型生成AI「Bard」にコーディングとデバッグを支援するアップデートの提供を開始した。

同社は2月にBardを発表してクローズドな試験提供を開始、3月に米国と英国から一般ユーザーも試験プログラムに参加できるようになったが、他の対話型AIで多用されているコーディングは「今後提供予定」になっていた。21日のアップデートで、コード生成、デバッグ、コードの解説に対応、プログラミングやソフトウェア開発作業を支援する。

サポートする言語は、C++、Go、Java、Javascript、Python、Typescriptを含む20言語以上。ブラウザから直接Pythonを記述、実行できるGoogle Colabに、コピー&ペーストすることなく、Pythonのコードをエクスポートできる。Google Sheets用の関数の記述も手伝ってもらえる。

コードのレビューとデバッグでは、対話を通じてより明確な説明を求めたり、いくつかの提案を出してもらうなど、柔軟に解決策を引き出せる対話型の強みが発揮される。

Bardは初期の実験段階であり、不正確な情報、誤解を招く情報、誤った情報を提供することがある。コーディングに関しても、Googleは「Bardの回答を常にダブルチェックし、コードを信頼する前にエラー、バグ、脆弱性がないか慎重にテスト、レビューして下さい」とプログラム参加者に呼びかけている。デバッグ機能はBardが生成したコードにも有効で、最初に出力したコードにエラーが表示されたり、期待通りに動かない場合、「Could you please make that code faster?」や 「Find error handling clauses you might have missed」というように頼むと、Bardが改善を提案できることがあるという。

コードの解説は、例えば「Tell me about the code within the google/jax GitHub repo」と頼んで、GitHubリポジトリ内のコードを説明してもらうことが可能。コードスニペットの出力を理解する上で追加のサポートが必要な時、プログラミングの学習など、幅広く役立つ機能だ。

21日のアップデートでは、ドラフトの選択肢をより幅広くする変更も加えられた。Bardは回答に複数のドラフトを示し、利用者が適切と思う対話を選べるようにしている。選択の幅が広がったことで、ドラフトをより明確に区別できるようになった。