日立製作所(日立)のグループ会社で鉄道システム事業を手掛ける日立レールは4月21日、英国のGreat Western Railway(グレート・ウェスタン・レールウェイ社)、鉄道車両リース会社であるEversholt Rail(エバーショルト・レール社)から、鉄道車両のメンテナンス延長契約を約3億ポンド(約500億円)で受注したことを発表した。

グレート・ウェスタン・レールウェイ社が保有する英国南西部のクラス802インターシティ車両36編成を、2028年までメンテナンスする契約だ。対象車両の導入以来、日立レールが94%以上も信頼性を向上させた実績が評価され、契約延長が決定されたという。日立が提供するクラス802車両は2022年夏に、2万8357マイル(4万5636km)の平均故障間隔を達成し、過去最高の月間信頼性を記録している。

日立レールは今回の契約により、英国南西部の車両基地で500名以上の高度なスキルを持つ人材を雇用する。また、クラス802車両のメンテナンスの大部分はプリマスのライラ車両基地で行われる。それに加えて、ペンザンス、エクセター、プリマスなどの主要駅に近い場所で車両をメンテナンスすることで、車両の稼働率が向上させる考え。

また、グレート・ウェスタン・レールウェイ社のインターシティ車両のメンテナンス契約延長により、英国のサプライチェーンへ直接年間7000万ポンド(約117億円)の投資が行われるという。日立レールは鉄道車両メンテナンス事業を通じて、英国全体で年間4億6200 万ポンド(約772億円)の経済効果をもたらすとしている。