ASMLは4月19日に発表した2023年第1四半期(1~3月期)の決算概要を発表した。それによると同四半期の売上高は前年同期比91%増の67億4600万ユーロとなった。
それによると同四半期の売上高は前年同期比91%増の67億4600万ユーロ、純利益は同2.8倍の19億5600万ユーロと好調だったという。また、2023年第2四半期(4~6月期)の売上高のガイドラインについては65億~70億ユーロ、2023年通年の売上高については前年比で25%以上の成長を見込むとしている。
同社では、自社の露光装置に対する需要は、少なくとも年内は供給能力を上回り続けると見ており、2023年業績も好調に推移するとの見方を示している。懸案の中国向け売り上げについて、第1四半期の国・地域別シェアは約8%と従来比で減少したものの、受注残の20%以上を中国向けが占めていること、ならびにオランダ政府による対中輸出規制によって、一部の製品の輸出に影響があることは認めつつも、レガシープロセスで半導体を製造する中国メーカーからの需要は依然として強いことから、年内中に中国向け売り上げが回復するとの見方を示している。
ASMLの社長兼最高経営責任者(CEO)であるPeter Wennink氏は、「第1四半期の業績は、四半期でのシステム設置の迅速化と早期受け入れにより、EUV、DUVともに収益が予想を上回ったためである。第2四半期の売上高はガイダンス通り65億から70億ユーロ、売上総利益率は50% から51%ほどと予想。また、研究開発費は約9億9000万ユーロ、販売費と一般管理費は約2億7500万ユーロと予想している」と第1四半期の振り返りと、第2四半期の見通しを説明している。
なお、2023年第1四半期売上高のEUV露光装置の販売台数は前四半期の13台から17台に増加。その結果、総売上高に占めるEUV露光装置の売上高割合は5割を超えた。また、国・地域別の売上高はほぼ半分が台湾、次いで韓国の26%、米国の15%と続く。中国は、前四半期の9%から8%に減少、日本も同3%から1%に減少している。