伊藤園は17日、NEC(日本電気)、イスラエルのSOLO(SOLO Wellbeing Ltd.)と共同でカメラを通じた表情解析により購入者の感情を分析し、気分に合わせた商品をオススメする「パーソナライズサービス」構築のための実証実験の開始を発表した。
実証実験は、感情により無意識で動く微細な表情筋(マイクロエクスプレッション)を解析・指数化する技術を持つイスラエルのスタートアップ企業SOLOとNECと同社が自動販売機のほか、スーパーの店頭や飲食店で実施。設置されたタブレットのカメラに顔を合わせてスタートボタンで分析を開始し、分析結果とオススメ商品が表示されるというもので、サービスに対するユーザーの受容性を検証する。
数千単位の箇所からの解析を行うSOLO社の技術は、認知症高齢者のQOL向上支援で活用されるなど詳細な感情分析を特徴に持つため、技術を活用したサービスの広がりも期待できる。伊藤園では、個人を特定しない形で感情データと業態別の販売データを分析し、ユーザーの気分に合った商品提供アルゴリズムの開発や将来的な表情解析・感情分析テクノロジーを活用した製品開発も視野に入れる。従来のマスマーケティングとは異なる、心身の健康状態に応じたコミュニケーションを通じた健康で豊かな生活への貢献を目指す考えだ。