QDレーザは、アイオーコアより量子ドットレーザを6万個量産受注し、5月から出荷を開始することを発表した。アイオーコアの光配線用シリコン(Si)フォトニクスチップ「IOCore」に搭載されるという。
1995年ごろに光通信を基盤とするインターネットの利用が広まって以来、クラウドコンピューティングやスマートフォンの登場を経て、人間と情報社会が融合する時代が到来している。今日ではビッグデータの活用とAI自然言語処理、画像認識が急速に発達し、メタバースの社会実装が間近に迫る中、情報爆発への対応は全世界の大きな課題となっている。
これらの課題解決に向けQDレーザが開発・量産する量子ドットレーザは、直径約10nmの半導体量子ドットを活性層に用いて、光を増幅、発振する半導体レーザであり、自ら光ることができないシリコンフォトニクスチップに不可欠の光源であるという。また同製品は、半導体LSI(大規模集積回路)を従来の銅配線ではなく高速の光配線で直接つなぐことにより、コンピュータの情報処理速度を飛躍的に向上させる能力があるとする。
これまでに約450万個の量子ドットレーザチップを光通信市場に供給してきたとするQDレーザは、さらに今回、アイオーコアと共同で、シリコンフォトニクスの大容量伝送を可能にする「4チャンネル量子ドットレーザ」の開発に成功。これにより、今回の量産受注に至ったという。
なお、量産を開始する量子ドットレーザとそれを搭載するIOCoreは、今後データセンターサーバ、5G/6G基地局、AIエンジン、医療機器、航空機、自動車などさまざまな応用分野を対象に実装される予定だとしている。