インターネットイニシアティブ(IIJ)および英IIJ Europe Limitedは4月18日、IIJが提供しているマイクロデータセンター(MDC)をアイスランド南部のLandvirkjunイラフォス水力発電所に設置し、国・地域をまたいで分散配置したデータセンターを統合的に運用・管理するICTインフラの確立に向けた実証実験を実施することを発表した。実施期間は2023年4月~2024年3月。
IIJは、アイスランドがヨーロッパ大陸とアメリカ大陸のほぼ中間に位置し、北大西洋での通信のハブになりうる地理的な優位性があることに加え、IIJは自社データセンターにおけるカーボンニュートラルへの取り組みを推進していることから、再生可能エネルギー100%の電力が利用できる同国での実施を決定したとのことだ。
実証実験では、周辺に事業所のない無人環境でも運用できることをテストし、データエンバシー(同盟国へのデータ保管)などの国をまたぐ分散バックアップ用途での新しい市場の可能性を検証するという。
IIJ EuropeがロンドンからMDCを遠隔制御し、安定的な運用や自律運転の検証を行う。周辺にメンテナンスを行う事業所のない無人環境で長期間稼働に耐えうるかを確認する。また、米国で提供しているデータバックアップサービスの拠点にアイスランドのMDCを追加し、IIJ Europeの拠点(英国およびドイツ)を含めて運用テストを行うほか、IoTやセキュリティなど各種サービスとの連携による新たな価値創出に向けた施策を検討する。
また、同実証実験で使用するMDCは再生可能エネルギー100%の電力供給を受ける。欧州をはじめ、ステナビリティ情報の開示がより厳格化される情勢において、再エネ100%電力を利用したMDCのテストマーケティングを行い、需要の発掘を図るとしている。