長野県と長野市、日本IBMは4月17日、地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、デジタル人材の育成、長野県が推進する「信州ITバレー構想」における人材の集積など、地域経済振興のための協力関係を構築する拠点として「IBM地域DXセンター」の立地協定を締結した。

今回の協定を踏まえ、日本IBMのグループ会社である日本アイ・ビー・エム デジタルサービス(IJDS)は、地方自治体、顧客、地域の協力会社との共創を通じてDXを推進する「IBM地域DXセンター」の拠点を、2023年9月に長野市に開設を予定している。

  • 立地協定締結式の様子

    立地協定締結式の様子

長野県は「Society 5.0」時代を見据えて、5Gなどのインフラ整備を促進し、県民や地場企業、県外の人々や企業にとっても魅力的な地域にするため、県内のあらゆる分野においてDX戦略を推進している。

具体的には、暮らし・産業・行政各分野のDXの推進、政事務や教育、医療、地域交通、インフラなどのDX事例のワークショップ開催に加え、信州ITバレー構想を通じてIT人材・企業を集積し、活用することで、地場産業のDXを促進している。また、県内のICTシステムの共同利用を加速させるため「先端技術活用推進協議会」を設置している。

一方、長野市は「安全・安心・快適な上質の暮らしで幸せを実感できる市民ファーストな未来型社会の実現」に向けて、市民と共創して「スマートシティNAGANO~市民と創る最高のまちづくり~」を推進。

スマートシティNAGANOが目指すまちの姿(ビジョン)として「2030年、サーキュラーシティ、NAGANOになる」を掲げ、デジタル技術などによる変革により、好循環による持続可能な成長・発展と地域課題の解決を通じて、市民の幸福(well-being / ウェルビーイング)の実現を目指している。

IBM地域DXセンターは、IJDSが主体となり、AIを活用した次世代超高速開発によるプロジェクト管理の効率化や開発者向けプラットフォーム、およびセキュアなソフトウェア開発などのテクノロジー、手法を活用しながらシステム開発と運用の高度化を目指す。

また、リモートでの開発体制整備や自動化などのテクノロジーを取り込んだ「ダイナミック・デリバリー」による新しい働き方を実現し、地域の人材育成とDX推進を支援している。

今回、日本IBMは長野市に新設するIBM地域DXセンターを中心に、学生や求職者など個人向け、法人向けに「地域DX人材育成プログラム」の展開を予定。

DXに必要な幅広い知識や技術の学習を通じて、専門スキルやコアスキルを身につける機会を提供するほか、地域のデジタル人材育成のため、地域企業、長野県および長野市とも展開にあたって協力する。IT人材育成に加え、雇用の創出により地域へのUIJターンを促進し、IT人材の誘致・定着を促進することで、信州ITバレー構想を後押ししていく考えだ。

IBM地域DXセンターは、2022年1月から北海道札幌市、沖縄県那覇市、宮城県仙台市、福岡県北九州市と展開し、2023年5月開設予定の広島県広島市、2023年7月開設予定の香川県高松市に次いで、長野県長野市が7カ所目となる。