2023年2月に公表された米国のCHIPS for America法(CHIPS法)に基づく補助金受給申請要綱だが、1か月半を経過した段階で申請者からの35州にわたる200件以上の関心表明書(SOI)を受け取ったことを米国商務省傘下のNational Institute of Standards and Technology(NIST:米国標準技術研究所)が明らかにした。

200件うちの半分以上が、第1弾の補助金支給対象である半導体の前工程ならびに後工程に関する資金調達に向けた関心であり、残り半分が半導体製造・材料サプライヤならびに研究開発施設に対する今後の資金調達に向けたものだという。これら半導体製造・材料サプライヤと研究開発施設に対する補助金は、2023年夏から秋にかけて実際の申請受け付けが進められる予定となっている。

NISTのCHIPSプログラムオフィスは引き続きSOIの受け付けを行っており、その後に提出された申請書は定期的に審査され、米国経済と国家安全保障を促進するかどうかについての記載内容を評価して補助金支給先を決めるという。これらの補助金によるインセンティブは、民間企業の投資を促進し、民間資本を集めることを目的としており、決してそれを置き換えるものではないことを商務省は強調している。

なお申請者に対しては、企業の営業秘密に当たるような多数の情報の提出も求められているほか、補助金受給後、10年にわたり中国への投資が厳しく制限されることになっているが、もしも興味を示している企業すべてが200件以上の申請を行ったとするならば、かなり厳しく審査が行われたとしても、補助金受給の倍率は高くなり、かつ受給できる額は期待より少なくなる可能性が高い。