三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、日本総合研究所(日本総研)、日本電気(NEC)は4月11日、日本マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft AzureのSMBCグループ専用環境上で構築するAIアシスタントツール「SMBC-GPT」の本格的な導入に向けた実証実験を開始すると発表した。

SMBC-GPTは、Azure OpenAI Serviceを活用したAIアシスタントツール。SMBCグループ専用環境上で動作するチャットツールとして、情報が社外に流出しないプロトタイプを構築し、社内従業員のみ利用可能とする。

従来のチャットボットと比べ、高度かつ自然な文章を生成することが可能になる。従業員は、SMBC-GPTに質問をすることで、文章の作成、要約、翻訳、ソースコードの生成などをチャット形式で手軽に行うことができるようになる。情報収集などにかかる時間を減らし、生産性の向上につなげる考え。

また、従業員の幅広いニーズに対応した汎用的なAI学習を実現するためのシステムインフラを整備し、自然言語処理だけではなく、画像認識、音声認識、開発高度化などの分野でも活用できるよう機能を強化し、「SMBC-GPT」をさまざまな分野に活用できる金融AIへと推し進めていく。

具体的には、顧客が希望する手続きに対し、従業員がSMBC-GPTを活用し、案内の迅速化が可能となるツールの開発を進める。また、AIが収集・分析した市場動向や外部環境などの情報を活用し、各種企画資料や顧客への情報提供資料の作成の支援につなげる。

なお、AIの回答内容の正確性は従業員が判断することを徹底し、外部AIの利用を禁止していることを改めて社内研修で周知していく。またAIに関する規制などの最新動向を踏まえ、社内の規程・ガイドラインを順次見直ししていく方針だ。