インターステラテクノロジズ(IST)は4月11日、同社のパートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」に、ハイスピードカメラメーカーであるフォトロンが新たに加入したことを発表した。

「みんなのロケットパートナーズ」はISTが2019年3月に立ち上げたパートナーシッププログラムで、「経済的支援」「共同研究」「技術・物資・ビジネス支援」「人材支援」の4分野で、各企業が持つ技術やノウハウ、ネットワークなどを生かす形で参画することが特徴となっている。

支援の規模などに応じて複数のグレードが設定されているが、今回のフォトロンは同パートナーシップ初となる上位グレードの「ゴールドパートナー」としての加入となるという。

ISTとフォトロンは2018年のMOMO2号機から、打ち上げ時の撮影および機材提供などを通じて関係を深めてきており、今回のパートナーシップを通じて、今後はロケットの打ち上げそのものにとどまらず、ISTが開発を進めている超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の各種開発試験に対し、フォトロンの高性能ハイスピードカメラによる高解像度なスローモーション撮影および専用ソフトウェアによる画像解析などの支援を受けることとなるという。

すでに第一弾のサポートとして、2023年2月に実施した「フェアリング分離放てき試験」において、フェアリングにつけたマーカーを複数台のハイスピードカメラで同時撮影し、フェアリングの分離挙動に対する3Dを活用した画像解析を実施。解析の結果、フェアリング分離挙動の分析に必要なデータを取得できたという。

  • 「フェアリング分離放てき試験」の試験風景

    「フェアリング分離放てき試験」の試験風景 (C)IST

  • 「フェアリング分離放てき試験」の画像解析例

    「フェアリング分離放てき試験」の画像解析例 (C)IST

なおフォトロンでは、宇宙利用を通じて地球の課題解決に貢献していきたいという願いからプロジェクトに加入したと、パートナーシップへの参画決定経緯を説明しており、引き続き、自社の有するハイスピードカメラや画像解析技術のノウハウを活用し、ロケット開発において必要な高品質な映像やデータを提供し、より正確な分析や改善につなげていき、誰もが宇宙に手が届く未来をISTとともに目指していくとしている。一方のISTも、今後も同プログラムの趣旨やISTの事業に共感・賛同してもらえる企業や団体の積極的な募集を行っていくとしている。