ベンチャーサポート税理士法人を運営するベンチャーサポートグループは4月4日、全国の経営者を対象に実施したインボイス制度の導入に対する意識調査の結果を発表した。これによると、適格請求書発行事業者には約半数が登録申請済みだった一方で、「登録申請はしない」との回答が2割弱に上る。

同調査は同社が2月13日・14日の両日に、ゼネラルリサーチ登録モニターのうち全国の経営者を対象にWebアンケートにより実施したものであり、有効回答者数は1004人。

適格請求書発行事業者の登録申請状況を質問したところ、「登録申請した」が49.4%と最多であり、「これから登録申請する予定」が20.0%、「登録申請するか未定」が12.2%、「登録申請はしない」が18.4%で、約半数がすでに登録申請を済ませており、登録予定を含めると約7割が登録申請に向けて動いている。

インボイス制度の導入に対して不安を感じる点では、「経理などの業務負担の増加」(38.8%)や「請求書などの様式変更への対応」(38.0%)が多い。不安なことが特に無いという回答者は約3割に留まっており、約7割がインボイス制度への不安を感じている。

  • 適格請求書発行事業者の登録申請状況と不安点 出典: ベンチャーサポートグループ

取引先に適格請求書発行事業者の登録番号を通知しているかを尋ねると、取引先の登録状況を確認した回答者では、自社の登録番号を通知したとの回答が71.4%、通知していないが28.6%だった。確認していない回答者では、通知したが8.1%だった一方で、通知していないが91.9%を占める。全体では、自社の登録番号を取引先に通知した回答者は32.3%だった。

  • 自社の登録番号を取引先に通知したか 出典: ベンチャーサポートグループ

同社は「インボイス制度が始まると、取引先が適格請求書発行事業者かどうかにより、消費税の納税額に大きな影響が出る」として、取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認する方法を紹介すると共に、取引先に個人事業主が多い場合は取引先への直接確認を勧めている。

なお、同調査の回答者における業種は、建設業が15.3%と最多で、以下、不動産業(11.1%)、製造業(10.9%)、企業向けサービス業(10.6%)、卸売業(7.9%)と続く。売上規模は、1億円以上5億円未満が22.4%で最も多く、以下、1000万円以上3000万円未満(19.3%)、5000万円以上1億円未満(16.8%)、5億円以上(13.7%)の順だった。