キヤノン、キヤノンメディカルシステムズ、国立がん研究センターの3者は4月11日、次世代のX線CTとして期待されるフォトンカウンティング検出器を搭載したX線CTによる臨床研究を開始したことを発表した。
キヤノンメディカルは2022年12月に国産としては初となるフォトンカウンティング検出器を搭載したX線CTの医療機器認証を取得。国立がん研究センター先端医療開発センター(EPOC)ならびに国立がん研究センター東病院と連携し、特定臨床研究として早期のフォトンカウンティングCT(PCCT)の実用化に向けた研究を進めてきたという。
今回の臨床研究は、EPOCにPCCTを設置。撮影された画像データを用いて、新たな診断法の開発とその臨床的有用性の可能性を探索することを目的として実施されるものと3者は説明している。
フォトンカウンティング検出器は、宇宙技術を応用して開発された装置で、従来のX線CTと比べて、被ばく量の低減を図りつつ、画像の高精細化による病変の検出性能の向上、体内の複数の物質構成の弁別ならびに高い定量性画像による腫瘍組織の性状や悪性度の評価などといったオンコロジー領域における診断から治療効果判定、予後評価まで診断精度の向上が期待されている。
なお、キヤノンならびにキヤノンメディカルでは、今回の臨床研究を通じて、現場の医師が実際に使用した際の意見や評価を得ることができるようになるため、PCCTの実用化が加速することが期待されるとしており、早期実用化を目指したいとしている。