米国半導体工業会(SIA)によると、2023年2月の半導体業界の売上高総額(3か月移動平均)は、前年同月比20.7%減、前月比4.0%減の397億ドルにとどまったという。

半導体市場は、2022年5月にピークを迎えた後、これまで9か月連続で前年同月比でマイナス成長が続いている。競合が次々と減産を進める中でも、減産をしてこなかったメモリトップのSamsungも、ついに4月に入って減産を開始したことを明らかにするなど、半導体需要は今後もしばらくは低調に推移する見通しとなっている。

  • 半導体市場の月間売上高推移

    半導体市場の月間売上高推移 (出所:WSTS/SIA)

SIAの社長兼CEOであるJohn Neuffer氏は、「短期的な市場の景気循環とマクロ経済の逆風が売上高の減少につながっているが、市場の中長期的な見通しは明るい。これは、さまざまな最終市場での需要の増加のおかげである」と強気の発言をしているが、半導体メモリを中心としたデバイス価格の下落はいまだ止まっておらず、3月も半導体市場は低調に推移する見込みである。

大幅に減速する中国市場

地域・国別で見ると、2月の前年同月比売上高は日本が同1.2%増とわずかに増加したものの、欧州が同0.9%減、米州が同14.8%減、アジア太平洋/その他が同22.1%減、中国が同34.2%減と、それ以外の地域・国でマイナス成長となった。また、前月比で見ると、欧州が同0.3%減、日本が同0.3%減、アジア太平洋/その他すべてが同3.6%減、米州が同5.3%減、中国が同5.9%減と、すべての地域でマイナス成長を記録しており、中でも中国市場は、米国政府による対中半導体輸出規制の影響が数字の上でも出てきているといえる結果となっている。