帝国データバンクは4月9日、2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の「建設業」の倒産発生状況に関する調査結果を公開した。同年度の建設業における倒産は1291件で、歴史的低水準が続いた20・21年度に比べて大幅に増加したという。
鉄骨や木材、給湯器をはじめとした住設機器など多岐にわたる建設資材の価格が品薄により急騰し、工事原価の上昇を招いており、「物価高」を要因とした倒産は徐々に増えているとのこと。
また、22年度の人手不足倒産全体のうち4件中1件は建設業が占めるなど人手不足も深刻化しており、同社は「建築士や施工管理者など業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員の離職で事業運営が困難になったケースも目立つ」と指摘している。
その結果、建設現場で「資材が来ない」「予算よりも価格が高い」「人がいない」などの常態化により、工期も「ずれ込む」悪循環が発生しやすく、中小建設業の倒産を押し上げる要因となっているという。
同社は、コロナ禍で多くが導入したゼロゼロ融資の返済もピークを迎えるなか、各種コストの増加分を価格に転嫁する「発言力」に乏しい中小零細規模の建設業を中心に、当面は倒産増加の傾向が続く可能性が高いと見ている。