Samsung Electronicsは4月7日、2023年第1四半期の全社収益見通し(速報値)を発表した。それによると、連結売上高は前年同期比19%減となる約63兆ウォン、営業利益は同96%減となる約0.6兆ウォンほどになるという。
半導体(Device Solutions)事業を始めとする部門別業績は、4月末に発表される予定だが、韓国証券業界関係者からは、Samsungの半導体事業は第1四半期に赤字転落した模様で年末まで赤字基調が続きそうだとの見方が出ているという。同社の半導体事業が赤字すれば、14年ぶりのこととなるという。
業績悪化を受けたSamsungは、半導体メモリの減産を決定。すでに競合各社はメモリの減産を先行していたが、Samsungはそうした動きを尻目に、競合からのシェア奪取を図るため、この数か月はあえて減産をしてこなかった。
今回の減産について同社は、「将来のメモリ需要回復に十分対応できる数量を確保したとの判断の下、メモリの生産を意味のあるレベルまで引き下げるための調整を行っている。また、すでにメモリ製造ラインでの作業の最適化(減産)を進めている」と説明している。世界的に半導体メモリ市場の停滞が続いているが、それに対しても「半導体メモリは中長期的には堅調な需要が見込まれるので、インフラ投資や研究開発への投資拡大は継続する」としている。
こうしたメモリに対する動きを見せる一方、同社とAMDは4月6日付で、SamsungのSoC「Exynos」向けにAMDのGPUアーキテクチャライセンスの更新で合意したことを発表している。両社は2019年にAMD RDNAグラフィックスアーキテクチャのライセンス取得に関するパートナーシップを発表。2022年にはRDNA 2アーキテクチャに基づくモバイルGPUとなる「Samsung Xclipse」を共同開発したことをアナウンスしている。
なお、Samsungのアプリケーションプロセッサ(AP)開発担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるSeogjun Lee氏は、「低消費電力ソリューションの設計におけるSamsungの技術的ノウハウを利用して、モバイルグラフィックス分野で継続的なイノベーションを推進し続ける」と今後に関する抱負を語っているほか、AMDのRadeon Technologies Groupのシニア・バイス・プレジデントであるDavid Wang氏も、「今回の協力延長は、強力な技術パートナーシップと、モバイルユーザーに可能な限り最高のエクスペリエンスを提供するというコミットメントの証である」とし、今後も協力してモバイル分野に対対する高いゲーム体験の提供を目指していくとしている。