凸版印刷は3月31日、デジタルツインで仮想と現実を行き来する遠隔体験サービス「デジタルツイン・ワールドトリップ」を開発したことを発表した。
「デジタルツイン・ワールドトリップ」は、現地を再現したフォトリアルな仮想空間と、仮想空間のみでは再現できない部分をリアルタイムで中継するシステムを組み合わせて提供する遠隔体験サービス。
遠隔地のユーザーは、フォトリアルな仮想空間へいつでもアクセスし、空間内をアバターキャラクターとなって自由に動き回ることが可能。空間内では訪問者同士の音声通話はもちろん、テキストチャット(多言語翻訳付)やスタンプを使ってコミュニケーションができる。
また、現地の固定カメラや「IoANeck」を装着したガイド、分身ロボットに接続すると、遠隔地にいるユーザー自身の操作で現地を動き回ることができ、仮想空間と同期することで遠隔体験が可能。各アバターキャラクターがフォトリアルな仮想空間の同じ位置に表示され、たとえば現地の分身ロボットが移動すると、フォトリアル空間のアバターも同期して移動する。
これらのアバターキャラクターを選択して「ライブ接続」の機能を選ぶと、固定カメラや「IoANeck」、分身ロボットのカメラ映像でライブ(アバターライブ)を体験できるという。
凸版印刷は「デジタルツイン・ワールドトリップ」の利用用途として、工場見学・ライブコマース、不動産販売、文化遺産・観光名所めぐりなどを挙げている。
なお、「デジタルツイン・ワールドトリップ」は、NTT西日本が展開する共創空間「LINKSPARK大阪」において、4月から9月末まで実証実験を開始する。同実証では、デジタルツインを用いた遠隔体験が、映像配信やWeb会議システム等に比べ、現地と同様の対面案内を遠隔地のユーザーに提供できるかを検証する。
この実証を通して凸版印刷は、遠隔地からでも対面と同じように施設の魅力が伝わり、まるでそこにいるかのような体験を提供できるサービスの立ち上げを目指すとしている。