キヤノンS&S、中小企業のDXを支援する「まかせてIT DXシリーズ」

キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は3月31日、中小企業向けにIT投資計画と営業力強化を支援する「経営支援サービス」と、ITリテラシー向上のための人材教育を支援する「教育支援サービス」を、2023年4月上旬から提供を開始すると発表した。

「まかせてIT DXシリーズ」の概要

なお、同社では中小企業におけるデジタル化を支援するため、これまでITの選定・導入・運用・保守を支援する「まかせてITシリーズ」を提供してきたが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するシリーズであることを訴求するため、名称をまかせてIT DXシリーズに変更した。

経営支援サービス

経営支援サービスは中小企業のDX実現に向けて、IT投資計画の策定や営業力強化のための戦略策定および営業活動の課題解決を支援するサービス。経営者や実務責任者にヒアリングすることでビジョンと現状のギャップを確認し、事業計画に沿ったIT投資計画のロードマップを作成する。

また、同社が持つDX推進におけるノウハウやスキルを活用し、IT資産環境調査やアンケート調査による従業員のITリテラシーレベルの可視化など現状分析を行う。

加えて、IT投資計画にもとづき、業務全体の優先課題を洗い出し、投資対効果の高いシステムの選定支援を実施。これにより、将来に向けたIT投資計画全体が整理され、ビジョンの実現に向けたより具体的な活動に落とし込むことができるという。

具体的には「コーディネートサービス」「営業戦略支援サービス」「SFA支援サービス」で構成している。

コーディネートサービスは、事業計画をスピーディに実行するためには、ITの利活用が欠かせないため、事業計画に沿ったIT投資計画のロードマップを作成するほか、ネットワーク機器の台帳作成とネットワークセキュリティレベルの棚卸、アプリケーションの使用頻度を明確にし、IT資産情報の可視化を行い、鮮度管理を実施。

さらに、研修で従業員のITリテラシーレベルをスコア化することに加え、IPA推奨「セキュリティアクション」の2つ星宣言を支援し、IT導入補助金に関する情報提供、申請支援、実績報告支援を行い、投資対効果の向上を図る。利用中のシステムとIT投資を計画するシステムの比較・評価を行い、導入の優先順位についてアドバイスし、IT戦略に関する相談を経営者専用ヘルプデスクで対応する。

コーディネートサービスの概要

営業戦略支援サービスは、経営層へのヒアリングで経営理念・ビジョンや財務目標・事業領域を確認し、管理職、次世代管理職、トップセールスなど、今後を担うメンバーとともに、3C分析などのフレームワークを利用して営業戦略を検討。バランススコアカードを分析することでKPI策定を支援し、ビジョンを実現するための活動を具体化するという。

営業戦略支援サービスの概要

SFA支援サービスは、顧客が発足する営業力強化プロジェクトチームに定例ヒアリングを実施することで、営業から経営層まで各層が持つ営業活動の「ありたい姿と現状のギャップ」や「顕在課題と潜在課題」を報告。SFA運用における業務改善手法の提案やSFAの活用による営業活動の可視化を支援するとともに、経営層向けにプロジェクトの全体進捗報告会や意見交換会を実施する。

SFA支援サービスの概要

価格はコーディネートサービスが月額25万円～、営業戦略支援サービスが1件あたり30万円～、SFA支援サービスが月額5万円～。

教育支援サービス

一方、教育支援サービスは「スキル向上支援サービス」と「研修支援サービス」で構成。同社のセキュリティ知識をはじめ、DXの流れを理解するITリテラシーや業務に役立つMicrosoftのOffice関連製品の基礎スキルをパッケージ化し、自己学習が可能なオンデマンドのオンラインコンテンツを提供。

加えて、ビジネスマナーや社会人に必要な報連相スキル、プレゼンテーションスキルなどのビジネス基礎スキルもパッケージ化し、オンサイトまたはオンラインで研修サービスとして提供する。従業員のスキルアップを図ることで生産性を向上させ、定期的な教育の機会を持つことでEX(従業員体験)の充実や、優秀な人材の確保・定着が期待できるとしている。

スキル向上支援サービスは、セキュリティ・ITリテラシー・業務に必要なMicrosoftのOffice関連製品に関するスキルに加え、ビジネスマナー・コミュニケーションといったビジネス基礎スキル、メンタルヘルスやハラスメントなど従業員に必要なコンテンツをパッケージ化して提供。コンテンツごとに、スキルの定着を図るための確認テストを用意し、研修コンテンツはオンデマンド動画で提供する。