愛知県稲沢市とNECは3月30日、同市における地域課題を解決するために、3次元で視覚化された地理空間情報システム(3D-GIS)を活用し、効果的な政策立案や設備保全の高度化による市民サービス向上を目的とした実証実験を実施すると発表した。
近年、行政においては、現実空間に関するデータをデジタル空間に再現したデジタルツインを活用することで、さまざまなデータを組み合わせたシミュレーション結果を現実世界に反映させ、まちづくりや政策に活かす動きが注目されている。
同実証実験では、NECソリューションイノベータの地図情報システム「GISAp」に3D-GIS機能を新たに追加した新サービス「GISAp Cities」を稲沢市に先行提供し、統合型3D-GISのユースケースを実証することで、効果的な政策立案や設備保全の高度化による市民サービス向上を目的とした事業検討を行う。
具体的には、3D-GISを活用し、子どもの多い地域において、防犯灯や防犯カメラなど防犯設備の可視範囲、照射範囲の死角や遮蔽物を3次元解析することなどを通じて、人口密度、空き家などの情報を統合した地域の安心・安全な評価モデルの構築を目指す。
このほか、地下埋設物(上下水道施設等)を3D化し、埋設物の正確な位置情報を可視化するという。