NTTドコモ(ドコモ)は3月29日、小型分散型蓄電池による県域レベルの仮想発電所(VPP)の実証実験を4月18日より開始すると発表した。や多発する自然災害などの状況下における電力の安定供給につなげたい考えだ。
VPPは、需要家側エネルギーリソースの他、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供する仕組み。
同実証実験では、山梨県内において、ドコモショップや無線基地局、また、県施設である山梨県米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジの敷地内に太陽光パネルや蓄電池を設置し、ドコモが開発・運用している「エネルギー・マネジメント・システム基盤」との接続を行う。そして、発電・蓄電設備の遠隔での監視および制御の動作を検証する。また、分散配置した小型蓄電池を集中的に監視および制御することで、地域単位の電力供給の安定化につなげることを目指す。
同基盤によって、設置した太陽光パネルの発電状況や蓄電池の残量の見える化を図るとともに、蓄電池の蓄電と放電を遠隔で一括で制御することが可能になるという。
これにより、複数の拠点に設置した太陽光パネルや蓄電池を一つのVPPとして運用し、電力需給が逼迫した際のデマンドレスポンス(電力需給が逼迫している際に、電力会社等の要請に応じて需要家が節電を行い、電力の需要と供給のバランスを保つこと)などに活用することができるとのこと。さらに、非常時を視野に入れた計画的な蓄電や電力消費を行えるようにする。
同実証実験で発電・蓄電した電気は、ドコモショップなどへの電力供給や非常時の電源確保、さらには新サービス創出によるエネルギーの地産地消へ活用する予定。今後、このような小型蓄電池の設置を県内の民間商業施設や製造拠点などへも提案していく考えだ。