日本電信電話(以下、NTT)、理化学研究所(理研)、国立情報学研究所(NII)は3月29日、NTTグループが開発を進めるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)による研究データの利活用促進に向けて、連携・協力に関する覚書を3月27日に締結したことを明らかにした。
3者は今後について、それぞれの強みを生かして、IOWNを活用した大規模かつ高品質なデータ転送に関する検討や、PoC(Proof of Concept:概念実証)に取り組むとしている。IOWNとは、NTTグループが強みとする光技術を活用することで、既存の電子技術を用いるインフラの限界を超えた高速かつ大容量の通信と膨大な計算リソースを提供できると期待されるネットワーク・情報処理基盤の構想。
具体的には、IOWNを活用したネットワーク環境の構築と管理、データの管理やデータ処理に関する技術開発、IOWNを利用したデータ転送と既存ネットワークとの比較、IOWNの将来機能を踏まえた研究データ利活用環境の拡張などに取り組む。
超低遅延かつゆらぎのない超高速ネットワークとされるIOWNで物理的に動かすことができない実験施設と研究施設を結び、遠隔地間の大規模な実験データや分析結果などを効率的にマネジメントする環境を構築する。遠隔地から研究者があたかも現地でそのデータを扱えているかのような環境を実現し、さらにはさまざまなデータの融合による新たな研究成果の創出も目指すとしている。