ガートナージャパン(Gartner)は3月28日、世界のデータ/アナリティクス(D&A)リーダーを対象に実施した調査結果を発表した。効果的に組織に価値を提供できているD&Aチームは半数未満であることが明らかとなった。
このレポートは、2022年9~11月、世界のD&Aリーダーを対象にオンラインで実施し、566人から回答を得た調査結果に基づく。
調査によると、D&Aチームが効果的に組織に価値を提供していると考えるD&Aリーダーの割合は44%で、半数に満たないことが明らかになった。最高データ/アナリティクス責任者(CDAO)は職務を成功させ、測定可能なビジネス成果を実現するために、存在感、実績、粘り強さに焦点を当てる必要があるとしている。
経営幹部としてのリーダーシップの特性17項目について、自己評価で「効果的」または「非常に効果的」と回答したD&Aリーダーの多くが、組織とチームの実績が高いと回答した。例えば、実績がトップ・クラスのD&Aリーダーの43%は、プロフェッショナルとしての自身の能力開発に時間を割くことが有効であると回答した一方で、実績が低いリーダーで同様に回答した割合は19%であったという。
また、CDAOが多くの職責を担っていることが明らかになった。その範囲は、D&A戦略の定義と実施(60%)、D&A戦略の監督(59%)、D&Aガバナンスの構築と実施(55%)、データ・ドリブンな組織文化変革の管理(54%)など多岐にわたる。
さらに、多くのD&A部門では、データ管理(65%)、データ・ガバナンス(63%)、高度なアナリティクス(60%)などへの投資が拡大していることも判明した。平均的なD&A部門の平均予算は541万ドルであり、過去1年間で規模が拡大したD&A部門は44%にのぼるという。
D&A部門に課される要求が広範で複雑であるという状況を受け、成功を妨げる最大の要因として「人材不足」を挙げた回答者は39%であった。調査では、上位6つの障壁がすべて「人」に関連する課題であることが確認されている。
同社は、CDAOは効果的なD&Aチームを構築するために、即戦力となる人材の採用に頼らない強固な人材管理戦略を策定し、例えば中核となるD&A部門と広範なビジネス/テクノロジ部門の両方で、データ・ドリブンな組織文化とデータ・リテラシーを促進するための教育、トレーニング、コーチングを行うべきだとしている。
また、同調査では、回答者の78%がD&A戦略へ反映させる上位3項目のインプットの1つに企業/組織の戦略やビジョンを挙げた。さらに、68%は戦略目標に沿ったD&Aイニシアティブを優先させている。