富士通は3月28日、診療データや健康データの利活用に向けたクラウド型のプラットフォーム「Healthy Living Platform(ヘルシーリビングプラットフォーム)」を開発し、医療機関や製薬企業向けに販売を開始することを発表した。
各医療機関が持つ電子カルテシステムの診療データをこのプラットフォームに集約する際は、次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIRの日本における実装ガイドであるJP Core(FHIR JP Core 実装ガイドV1.1.1)に準拠した形式へ自動変換してクラウド環境保存するという。医療機関ごとに異なるデータ規格を統一することで、データ活用が容易になると考えられる。
集約されたデータは安全かつ容易に活用できるよう、特定の個人を識別できないデータに変換する。これらのデータは医療機関は患者一人一人の個別化医療の促進に、また、製薬企業は新薬開発の有効性や安全性の分析に利用できるという。
電子カルテシステムの診療データだけでなく、個人が持つバイタルデータや歩数、消費カロリーなどもデータポータビリティサービスにより集約可能だ。同社は患者自身が診療データをスマートフォンで閲覧できるサービスや、医療機関がプラットフォーム上で共有した診療データを高度に分析できるサービスなどを展開する。
今後は、健診データなどの取り込みにも対応する予定だとしている。さまざまなデータを集約できるようにすることで、医療機関での診療業務や臨床研究、製薬企業での新薬開発の場面で、より高度な分析につなげるとのことだ。
同プラットフォームはMicrosoft Azureを利用し、セキュリティ対策については厚生労働省が定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」ほか、各省庁が定める各種ガイドラインに準拠するという。