NECファシリティーズと同社グループ会社の近畿分析センターは3月27日、工場の水害リスク調査から対策の立案、設計・施工を行う「水害リスク対策ワンストップサービス」を提供開始すると発表した。

同サービスでは、近畿分析センターが行政機関の保有する地質調査資料、気象庁の過去の気象データ・将来の降雨量や発生頻度の予測および独自のボーリング調査から水害リスクを明確化し、その情報を基にNECファシリティーズが対策の提案と設計・施工を行う。

  • 「水害リスク対策ワンストップサービス」の提供フロー

    「水害リスク対策ワンストップサービス」の提供フロー

河川に隣接するビルを所有する企業に同サービスを試行したところ、水害リスク調査結果から地下水の上昇対策が不要と確認されたため、当初の水害ハザードマップを基に設計した水害対策を見なすことで、1億5000万円の費用を削減することができたという。

両社はまず、東京多摩地区・山梨県を中心に同サービスを提供し、顧客が指定するエリアを独自調査することで、行政機関が発行する水害ハザードマップにはないリスク情報の提供を行う計画だ。

また、NECファシリティーズはリスク情報と両社の設計・施工技術を合わせた形でBCP(事業継続計画)策定も支援する。このほか、水害への対策施工・維持管理を通じて、製造業を中心に工場・付帯設備などの資産を保全するサービスも提供していく方針だ。2023年度には2社程度へ同サービスの提供を目指すという。