日本ヒューレット・パッカード(HPE)は3月23日、新潟県上越市が職員の業務デジタル化とデスクトップ仮想化(VDI)環境の導入にHPE GreenLake Edge-to-Cloudプラットフォームを採用したと発表した。
上越市は、2021年に策定した「上越市ICTによる情報化推進基本方針」にもとづき、市民分野、産業分野、行政内部分野の3軸でデジタル変革(DX)に取り組んでいる。同市のDXへの取組を支えるインフラとして三位一体で重要な位置づけとしているのが、機動力の高い執務環境を実現するためのVDI環境、高速な無線LAN環境、持ち運び可能なノートPCだ。
VDI環境導入の目的は、自治体情報セキュリティを担保したうえで、市職員がノートPCからLGWAN(総合行政ネットワーク)系システムに庁外からでもアクセスできるようにし、タイムリーな情報共有と意思決定、場所を選ばない柔軟な働き方を実現することにある。
同市のVDI環境は「HPE ProLiantサーバ」と「HPE Nimble Storage」によるVDI基盤および、庁内に整備された「HPE Aruba高速無線LAN環境」などを統合することで実現されているという。
HPE GreenLakeによるas a Serviceモデル(月額・従量制/定額制)で導入されたVDI環境は、初年度600ユーザーからスタートし、既存PCのリプレイスに合わせて段階的にVDI基盤を拡張しつつ、2024年度までに1,600ユーザーを収容する計画としている。
ジェーミックスが上越市のVDI導入プロジェクトを全面的に支援し、HPE GreenLakeを提案。VDI環境の整備で難しいとされる、VDI基盤の正確なリソース見積と投資の最適化が、HPE GreenLakeを採用することで実現されたという。
同社はHPE InfoSightの予兆検知と連携したインフラ監視・保守フローを整備しており、上越市はシステムの稼働状況を意識する必要がないといったメリットがある。
上越市役所 総務管理部 総務管理課 情報政策室 室長の水澤弘光氏は「上越市のDXは行政内部分野から始まりましたが、今後は市民分野・産業分野のあらゆる対象に対しての取組が本格化します。HPE GreenLakeを採用したことで、システム管理やハードウェア/ソフトウェアのライフサイクルを気にする必要がなくなりました。先行投資を抑えて、パブリッククラウドとオンプレミス双方の良さを併せ持つ、『ハイブリッドなクラウド体験』で、安全なVDI環境が実現されることは、次の展開に向けても意義が大きいです。ジェーミックスとHPEには、引き続き私たちのチャレンジを支えるテクノロジーとサービスを提供してもらえることを期待します」と述べている。
一方、日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏は「上越市さまとジェーミックスさまが、DX推進基盤にHPEのサーバとストレージ、そしてHPE GreenLakeを選択いただいたことを大変うれしく思っています。デジタル社会の形成に向けて、自治体DXの推進が図られるなか、HPEが提供しているデータ・ファースト・モダナイゼーションを実現するためのソリューションにより、上越市さまのお取り組みに寄与できますよう、尽力してまいります」とコメントしている。