ガートナージャパン(Gartner)は3月23日、日本企業がデータとアナリティクス(D&A)で成功するために欠かせない役割を発表した。

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同社は、日本企業のデータ利活用において、取り組む課題や目標が明確ではないにもかかわらず、何かしらの外部リソースや最新テクノロジを採用する前提で「選定作業」を繰り返しているケースが多く見られるという。

同社のシニア ディレクターアナリストの一志達也氏は次のように述べている。「D&Aのリーダーは、ビジネス上の課題解決に貢献し、成果を得ることを目的や目標にして、戦略的に取り組む必要がありますが、そのためにはプロフェッショナルで構成された強力なチームを作り上げなくてはなりません」

強力なチームを編成するには、さまざまなスキルと経験を持つ人材を確保し、明確な役割を割り当てた上で相乗効果で総合力を高める必要があるとし、現代的なD&Aの取り組みにおいて必要不可欠な役割をあげた。

それは、経営層の一員として経営戦略とD&A戦略を結び付け、取り組みを率いる「CDO(最高データ責任者)」、成果を測定し目標を管理する「D&Aマネージャー」、ビジネス課題に対する施策の仮説を立て、分析に基づいて具体的な行動案を考える「D&Aトランスレーター」、企業のアナリティクス/BI機能を構築し、分析してシナリオ/ストーリーを作る「アナリティクス/BI開発者」、各種ソースから指標やデータセットを設計する「データ・アーキテクト」、データ利用者が適切なデータを利用できるよう、各種ソースから集めたデータを分析者が求める形に加工する「データ・エンジニア」、D&Aの取り組みにおいて、ガバナンスや倫理的見地からの監督を担当する「倫理担当者」、データの利用部門におけるポリシー適用を担う「データ・スチュワード」、ビジネスの目的に沿った、分析に適したデータの探求、調達、活用支援を行う「データ・コンシェルジュ」。

企業によって状況が異なるため、チームに最低限必要な人数は変わり、D&Aのリーダーは、組織として求められる期待事項を経営層に確認し、それを踏まえてチームの布陣を描き出す必要があるとしている。ロードマップでの目指す成果、影響をおよぼす範囲、それに伴い拡大するチーム像を描き、条件がある場合はそれも詰めた上で経営層や人事部門などの合意を得て、描いた以上の成果を得られるようにチームを作り率いていくことが求められるという。

一志達也氏は次のように述べている。「D&Aで成功するには、経営戦略に沿ったビジネス成果にこだわり、それを達成できるチームを作り上げなければなりません。CDAOなどD&Aのリーダーは、チームに必要なポジションを定義し、そこに適切な人材を割り当て、不足している能力を補うよう指導し、チームとしての成果創出と最大化に注力する必要があります。一方、メンバーはそれぞれの果たすべき役割や目指すべき成果を明確に認識し、スキルを高めてチームに貢献するプロフェッショナルであることが求められます」