イギリスの公共放送局であるBBCはこのほど、「BBC advises staff to delete TikTok from work phones - BBC News」において、職員に業務用のスマートフォンからTikTokアプリを削除するよう勧告したことを伝えた。プライバシーとセキュリティの観点から削除することを職員に要望しており、個人のデバイスは対象外と発表している。
BBCが会社のスマートフォンからTikTokを削除するよう職員に勧告を出したことを明らかにした。TikTokアプリを禁止するガイダンスを発表した最初のイギリスメディアとされ、デンマークの公共サービス放送に次いで世界で2番目だと説明している。ただし当面の間、例外として編集およびマーケティングの目的では、TikTokの利用を続けると述べている。
TikTokを運営しているByteDance側は今回のBBCの決定に対し失望し、BBCの禁止措置は基本的な誤解に基づくものでより広い地政学によって引き起こされたものと考えている、と回答している。
このような措置が取られる背景には、TikTokの個人情報保護上の懸念があるためとされている。ByteDanceの本社が中国にあることから、企業または組織のスマートフォンから収集した個人情報が中国政府と共有されている可能性があると指摘されている。
TikTokに対する懸念は世界各地に広がっており、同アプリの使用を禁止する政府が増えてきている。米国や英国で政府公用デバイスからTikTokを削除するよう求める命令が発せられており、欧州連合(EU: European Union)やカナダ、日本なども追従し、同様の処置をとっている。
一方でTikTokは世界中で人気が高く、ビジネスやマーケティングにおいて活発に利用されている事実がある。政府だけでなく企業も利便性およびプライバシーセキュリティ上の問題点のバランスを考えながら、TikTokへの対応を進めることが求められている。