大日本印刷(以下、DNP)とイリモトメディカルは3月22日、肺がんの可能性がある結節影候補域を検出する「AI支援胸部がん検診読影システム」の運用を2023年3月に開始することを発表した。

同システムはエルピクセルが開発したEIRL Chest Nodule(エイル・チェスト・ノジュール)を搭載しており、医師の読影とAI(Artificial Intelligence:人工知能)の処理を並列で行い、その結果から医師の確認が必要な画像を絞り込んでから医師が再度読影することで、読影の質の向上と効率化を目指すという。

膨大な数の胸部X線画像を読影し肺がんなどの病変を見つけるためには、読影医の高い技量と経験が必要だ。そこで、イリモトメディカルの放射線科専門医がこのシステムを利用して放射線科専門医とAIのダブルチェック体制を実現し、医師の負担を軽減して高精度な読影を実現するとのことだ。

DNPは今後について、脳や眼球のMR画像などを利用した病気の原因究明や、早期発見に結び付く画像解析技術などの開発を手掛けるほか、各種診断支援サービスを展開するとしている。AI支援胸部がん検診読影システムは2025年度までに約10億円の売り上げを目指すという。