日本は世界的に見てiPhoneユーザーが多い。iPhoneはスマートフォンの中では高級なモデルだ。このところ、その販売価格は高値のまま推移しており、1~2年で買い替えるような価格ではなくなっている。新しいモデルを購入したらできるだけ長く使いたいと考えるユーザーも多いだろう。

そこで本稿では、そうしたユーザーに向けて、iPhoneのバッテリーをなるべく長く使うための設定と使い方のポイントを紹介しよう。

日本はiPhoneが大人気

以下の表はiPhone 14シリーズで最も容量が小さいモデルの価格をまとめたものだ。最も安いモデルでもモバイルタイプのノートPCの価格帯だ。容量を増やせば価格はさらに高くなる。

プロダクト 価格
iPhone 14 Pro Max 16万4,800円~(税込)
iPhone 14 Pro 14万9,800円~(税込)
iPhone 14 Plus 13万4,800円~税込)
iPhone 14 11万9,800円~(税込)

この価格帯になってくると、1~2年で買い替えは難しくなってくる。大体、バッテリーの持ちが悪くなる3年目、iOSの最新版のサポートが終了する5年目に買い替えるか、さらに粘りに粘って古いiOSのサポートが終了するか壊れるまで使うといった感じにもなってくる。

にもかかわらず、日本はiPhoneのシェアがとても高い。

2023年2月の世界のモバイルベンダーにおけるAppleのシェアは27%ほどだ(StatCounter調査)。このシェアをベンダー別に見ると、Samsungと並んで1位だ。つまり、iPhoneは世界で最も使われているスマートフォンである。しかし、日本はAppleのシェアが7割近くある。これは主要国の中でもとりわけ高い。

バッテリーは消耗品、絶対にへたる

iPhoneに限らずノートパソコンや家電製品など、現在の製品のバッテリーの多くにリチウムイオンバッテリーが使われている。このバッテリーはいつ充電してもよいので扱いやすい。リチウムイオンバッテリーが登場する前のバッテリーよりも便利だ。

しかしながら、リチウムイオンバッテリーは充電回数に上限がある。これは物理的な特性なので今のところ回避できない。0%から100%までの充電を1回とカウントし、これを何回繰り返すことができるかが概ねわかっている。

充電を行うごとに劣化が進み、蓄電容量が減っていく。iPhoneを使い出すとバッテリーの減りが早くなったと感じると思うが、これは蓄電容量が減っているのが一つの理由だ。

加えて、iPhoneは給電による明示的な稼働をサポートしていない。給電は充電となるので、電源をつないで使っていても充電しているのと変わらない(一部自動で充電を停めるタイミングがあるが、ユーザーは明示的に制御できない)。

要するに、iPhoneのバッテリー寿命を延ばす抜本的な方法は、バッテリーの消費を抑える以外には方法がない。

バッテリーの消費を抑える方法はコレ

iPhoneは高価なモデルでもあるため、さまざまなメディアで、丁寧に使いたいと考えるユーザー向けにバッテリーの消費を抑える方法が初回されている。よって、そのための設定や使い方はバラエティに富んでいる。

しかし、複数の方法は結局覚えられず、面倒な操作はいずれ行わなくなる。本稿では効果が高く、かつ、必要最小限の設定と方法に絞って3つだけ取り上げる。

3つの方法とは、以下となる。

  1. 「低電力モード」を『常にオン』にする設定を行う
  2. バッテリーを残量20%~80%の間で使う
  3. ダークモードを使う

日常の操作で気にするのは(2)だけでよい。(1)と(3)は一度設定すれば、あとは設定したとおりに動く。最小限の手間でそこそこ効果が期待できる方法だ。

以降、それらを設定する理由と、具体的な設定手順を説明していこう。