OpenAIは3月14日(現地時間)、最新の大規模言語モデル「GPT-4」を発表した。この発表を受けてMicrosoftは、Bing Serach Blog「Confirmed: the new Bing runs on OpenAI’s GPT-4」において、同社が提供しているチャットbot形式の検索エンジン「新しいBing(New Bing)」がGPT-4をベースとして検索用にカスタマイズされたエンジンを用いていることを明らかにした。
新しいBingは2023年2月7日に発表され、現在は一部ユーザに向けてプレビュー版が公開されている(参考記事:Microsoft、AI技術導入した新しい「Bing」と「Edge」を公開 | TECH+(テックプラス))。Microsoftは新しいBingが使用する言語モデルについて、これまでは「(GPT-3.5を使用する)ChatGPTよりも強力で、特に検索用にカスタマイズされた次世代のOpenAI大規模言語モデル」と説明しており、その正体がGPT-4であるとは明言してこなかった。
今回の発表では「過去5週間に新しいBingプレビューを使用したことがあれば、この強力なモデルの初期バージョンを既に体験済みです」と説明されていることから、新しいBingが既に内部でGPT-4を使用していることを正式に認めた形になる。
なお、新しいBingのAIエンジンの説明にはもう一つ「Prometheus」という重要なキーワードが存在する。Microsoftの説明によれば、Prometheusは同社がOpenAIのモデルを最大限に活用するために開発した独自のAIモデルとされている。
具体的には、Bingのインデックスやランキング、検索結果と、OpenAIの次世代GPTが持つ創造的な推論機能を組み合わせたものがPrometheusであり、これによって与えられた会話のコンテキストで正確な回答を素早く提供することが可能になったという。Prometheusについては、Microsoft公式ブログの次の記事で詳しく解説されている。
上記の説明におけるPrometheusが内部的に使用している「次世代GPT」が、まさに今回新たに発表されたGPT-4というわけだ。今後OpenAIがGPT-4以降のアップデートを行った場合には、その成果がBingにも反映されるとのことだ。