月刊総務は3月15日、全国の総務担当者を対象に実施した「オフィスについての調査」の結果を発表した。これによると、直近3年間でオフィスの見直しをしたとの回答が6割近くに上り、また全体の2割が今後オフィス予算を増やす予定と回答している。
同調査は同社が、「月刊総務」読者や「月刊総務オンライン」のメールマガジン(メルマガ)登録者などを対象として、2月10日~20日にかけて実施したものであり、有効回答者数は224人。
直近3年間でオフィスの見直しをしたかとの質問には、「オフィスの見直しをした」が58.5%、「見直しを検討している」が25.0%で、合わせて8割以上が実施または検討している。 実施内容を見ると、レイアウトの変更が74.0%、専有面積の縮小が35.1%、拠点の集約が20.6%だった。
今後のオフィス予算の方針では、約2割が「増やす」と回答した。
今後の働き方はどうなると思うか尋ねると、「オフィスとテレワークの融合」が67.4%で最も多い。2020年および2021年の調査結果との比較では、「オフィスがメイン」が微増している。
オフィスとテレワークのどちらが生産性が高く働けると思うかとの質問に対して、オフィスと回答した人が74.6%と、2021年調査の54.2%から20.4ポイント増加した。
今後のオフィスの役割については、「社内コミュニケーションの場」が89.7%で最も多く、以下「チームで作業をする場」(78.1%)、「社風・文化を醸成する場」(58.0%)が続く。
今後のオフィスでどんな機能を重視するか尋ねると、「コミュニケーション・スペース(ラウンジ、社食など)」が76.3%と最多であり、「Web会議スペース」(59.4%)、「一人で集中できるスペース」(40.6%)が続いた。
現在のオフィスの課題では、「個別ブースが足りない」が57.6%で最も多く、「コラボレーション・スペースが足りない」(47.3%)、「会議室や来客スペースが足りない」(42.0%)がこれに続く。
2021年の調査結果と比較すると、個別ブースの不足は6.1ポイント減と解消傾向にある一方で、コラボレーション・スペースの不足は13.8ポイント増加した。
オフィスづくりで重要視している点では、「コミュニケーション」が87.1%と最多であり、以下「生産性・効率」(60.7%)、「チーム・ビルディング」(47.3%)の順だった。
ABW(Activity based Working)を推進しているかと質問すると、「とても推進している」と「やや推進している」が計44.2%と、4割以上が推進している。
今後社員の働く場所としてオフィスや自宅の他にサード・プレイス(コワーキングス・ペース、レンタル・オフィス、サテライト・オフィスなど)の契約を考えているか尋ねたところ、「契約している」が2021年の調査から2.3ポイント増加した。一方で、「契約しない」が57.1%に上る。
バーチャル・オフィスの導入状況では、、「バーチャル・オフィスを知らない」との回答は2021年の調査に比べて10.5ポイント減少した一方で、「導入する予定はない」が72.8%を占めた。
同社は今回の調査結果を、「2020年、2021年とオフィスについての調査を実施し、前回まではリモートワークの急激な推進とそれに伴う働き方の変化への対応が結果に色濃く出ていた。今回の調査では、新しいワークスタイルに慣れてきた一方で、あらためてコミュニケーションやコラボレーションの場としてのオフィスの意義が見直されていることがうかがえる」とまとめた上で、「この約3年の試行錯誤を経て、『オフィスの方がいい仕事』『テレワークの方がいい仕事』も見えてきたところだろう。蓄積したデータや従業員の声をきちんと検証し、『出社したくなる』求心力のある場へと、オフィスもトランスフォーメーションさせていってほしい」と提言している。