東日本電信電話 山形支店(以下、NTT東日本)と山形県寒河江市は3月15日、同市内の農業分野におけるLPWA(Low Power Wide Area:省電力で数キロメートル単位の距離で通信できる無線通信技術の総称)活用モデルの普及促進に向けた実証実験を開始することを発表した。

農業は寒河江市の基幹産業の一つであるが、農業従事者の高齢化や人口減少による人手不足が課題だ。そうした中、同市は2022年に農業や福祉部門の職員をメンバーとしたLPWA関係者会議を立ち上げ、自営無線ネットワークの整備による農業の課題解決に向けた検討を進めてきた。

これに対しNTT東日本は、寒河江市LPWA関係者会議の検討促進とLPWA活用モデルの普及促進に向けて、LPWA活用の効果が期待できる「さくらんぼ凍霜害対策」「さくらんぼの盗難対策」「鳥獣害対策」に向けた実証実験を開始するという。

LPWAにより、点在しているさくらんぼ農園や罠の設置場所を遠隔から監視できるようになるため、栽培や見回り作業の効率化・省力化が見込めるという。実証実験の中で動画を取り扱うケースにおいては、大量データの長距離伝送が可能な無線LANの通信規格「IEEE802.11ah」(Wi-Fi HaLow)を活用した実証実験を実施する。

  • さくらんぼ凍霜害対策の概要

    さくらんぼ凍霜害対策の概要

  • さくらんぼ盗難対策の概要

    さくらんぼ盗難対策の概要

  • 鳥獣害対策の概要

    鳥獣害対策の概要