NTT QONOQ(コノキュー)は3月15日、MR(Mixed Reality:複合現実)技術によって遠くにいる人があたかも隣にいるかのように作業を支援できる遠隔作業支援ソリューション「NTT XR Real Support」を法人向けに提供開始することを発表した。主な利用シーンとしては、電気やガスや通信などのインフラ業をはじめ、高額な精密機械を扱う製造業などを想定しているという。
遠隔地から作業を支援する熟練者は、PCでのビデオ通話のみならずマニュアルや空間上での指示など視覚的な情報でも支援できるようになる。若手の担当者など現地にいる作業者はMRデバイスを着用し、手がふさがることなくハンズフリーで支援を受けられる。なお、作業者が用いるデバイスとしてはHoloLens2、iPhone、iPadの3機種に対応。
同サービスにより、インフラ業では、従来は管理者や熟練者が現地に同行しなければならなかった作業でも、そうしたスタッフが遠隔地から細かい指示や確認ができるようになるため、現地作業者の人数削減や、管理者らが現地に到着するまでのダウンタイムの短縮が見込めるという。また、災害時など現地に移動できない場合の対応などBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策にも有効だとしている。
製造業では、従来現地に急行する場面が多かったフィールドエンジニア(セールスエンジニア)の作業に対し、技術力を持った人材が遠隔から指示できるようになることで、現地に急行する人材は必ずしも技術力に特化している必要がなくなり、人材の教育時間の短縮や人数そのものの削減が見込めるとのことだ。製品の購入者が遠方にいる場合にも、離れた場所から操作説明を実施できるようになる。
同サービスは現地からの映像伝送や音声通話に加えて、PCからの画面共有、テキストメッセージ、空間ポインティング、3Dで空間に描くフロー図、6人までの会話、マニュアル作成などの機能を備える。