英Oxford Quantum Circuits(OQC)とエクイニクスは3月15日、都内にあるエクイニクスのデータセンター「TY11 International Business Exchange(IBX)」を通じて、量子コンピュータを世界中の企業に商用提供することを発表した。
OQCは、量子コンピュータをTY11に導入し、エクイニクスのオンデマンドのインターコネクション製品であるEquinix Fabricを活用し、2023年後半にエクイニクスのグローバルプラットフォームで「Quantum Computing -as- a-Service(QCaaS)」を実現する予定だという。
Equinix Fabricに接続することで、企業や組織は、あたかもオンプレミスにあるかのように量子コンピュータに接続可能となる。また、自社のデジタルインフラ内で直接QCaaSに接続することで、より安全かつ容易にこのテクノロジーを活用・検証することが可能だという。
OQCのCEOであるイラーナ・ウィスビー博士は、以下のように述べている。
「世界は、量子コンピュータが我々の生活に変化をもたらすほど成熟するのを待ち望んでいました。エクイニクスのワールドクラスの TY11 データセンターに量子コンピューティングを導入することで、この現実に一歩近づくことができます。量子コンピューティングは、技術とプロセスの面で大きな転換を意味します。従来型の古典コンピュータとは異なり、量子コンピュータは膨大な量のデータを信じられないほどのスピードで処理することができます。私たちは、エクイニクスとともに、世界中の企 業における量子コンピュータのスキルセットと能力の開発を支援できることを嬉しく思います。未来はここにあり、私たちは量子コンピュータ時代の最先端を担っています」
エクイニクス・ジャパンの代表取締役社長・小川久仁子氏は、「量子コンピュータは、ビジネスの課 題をより持続可能な方法で変革する可能性を秘めています。当社は世界のデジタルインフラストラクチャ企業として、より簡単・安全・高帯域なアクセスを実現するこの画期的な技術を世界中の何千もの企業にご提供できることを嬉しく思い ます。OQCの量子コンピュータが Platform Equinixのグローバルエコシステムとして加わることは、イノベーションとサス テナビリティを実現するという当社のコミットメントを裏付けするものです。今日私たちが直面しているデジタルビジネスにおける重要な課題を解決するために共に協力し合うことを楽しみにしています」と述べている。
また、Oxford Quantum Circuitsのカントリーマネージャー・杉浦敦氏は、「OQCは、量子コンピュータをデジタルインフラに統合し、実用化・社会実装することを推進しており、今回エクイニクス社の国内のデータセ ンターに当社のQCaaSプラットフォームが導入されることを大変光栄に思います。超伝導量子ビット型量子コンピュータの先進的な研究開発が行われている日本において、その研究成果を実用につなげるため、量子コンピュータの商用提供 を進め日本市場の発展に寄与してまいります」と表明している。