三菱電機は3月14日、気象庁から「次期静止気象衛星(ひまわり10号)」を受注したことを発表した。
ひまわり10号は、現在軌道上で運用されている静止気象衛星ひまわり8号およびひまわり9号の後継機に位置づけられる気象衛星。同社の受注はひまわり7号から4基連続となる。
ひまわり10号は、米L3Harris Technologies製の可視赤外イメージャとハイパースペクトル赤外サウンダ、および情報通信研究機構(NICT)から支給を受ける宇宙環境センサを搭載する予定。イメージャでは、可視から赤外波長域で地球からの放射量を高頻度に観測することで雲分布、水蒸気分布、地表・海上・雲頂の温度などの面的(2次元)情報を取得。ひまわり8号/9号と比べ、観測バンド数の増加と高分解能化が図られるため、観測機能の維持・向上につながるという。
また、日本の衛星として初めてサウンダを搭載。赤外の波長域で地球からの放射量を高いスペクトル分解能で観測することで、水蒸気や気温などの立体的(3次元)情報を取得できるようになり、集中豪雨や線状降水帯、台風の進路予測精度の向上が果たせるようになるという。
さらに、宇宙環境センサは、宇宙天気予報向けの日本初の宇宙環境観測装置で、衛星の誤動作や機器異常を引き起こす陽子線、電子線を計測することで宇宙天気の定常観測を推進するものとなるという。
なお、ひまわり10号の諸元は以下の通り。
- 衛星バス:標準衛星バス「DS2000」
- 質量:乾燥質量(燃料充填前) 約2.4t、打上時質量 約6.1t
- 寸法:収納時 約4m×約3m×約6m、展開時全長 約11m
- 軌道:静止軌道
- 設計寿命:15年以上