パーソルイノベーションが展開するリスキリング支援サービス「学びのコーチ」は3月14日、全国の企業で働く660人を対象に実施した「リスキリング」に関する最新アンケート調査の結果を発表した。
回答者が勤めている企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリングに関する取り組みを行いましたか?」と聞いた質問では、全体の約4割となる39.1%が「実施した」と回答した。
企業規模別の回答を見ると、大企業に勤めている人は60.5%が「実施した」と回答したのに対し、中小/スタートアップ企業に勤めている人は「実施した」との回答が28%となり、企業規模別で大きな差があることが判明した。
リスキリング実施者に対し、リスキリングの取り組みがトップダウン(経営主導)型、ボトムアップ(個人主導)型のどちらで行われているかを尋ねたところ、「トップダウン(経営主導)型」との回答が全体の80.2%と、高い割合となった。企業規模を問わず、多くの企業がトップダウン型でリスキリングの取り組みを進めていることが分かった。
リスキリング実施者の企業において、リスキリングの取り組みで取得が重視されているスキルを尋ねると、1位は「ITプロジェクトマネジメント」(42.3%)となった。これに、「データ活用」(38.7%)、「クラウド活用」(35.1%)が続いており、DXや攻めのITスキルの習得を重視する傾向であることが分かった。
企業規模別の回答を見ると、中小/スタートアップ企業も「ITプロジェクトマネジメント」や「データ活用」が34%と高く、「業務プロセス設計」や「マーケティング」も29%と、企業成長への土台作りとなるスキルの重視が上位となった。その一方で、大企業では1位が「ITプロジェクトマネジメント」(51%)と、規模感を感じさせるプロジェクト管理スキルを重視する傾向であることが読み取れる結果になった。
リスキリング実施者の企業において「リスキリング後の昇給を行っていますか?」と聞くと、「実施している」が33.1%と、3分の1の企業がすでにリスキリング後の昇給を実施していることが分かった。
また、「未実施だが検討中」との回答も37.5%に上り、合計で7割以上の企業が、リスキリング後の昇給について実施または前向きである傾向が判明した。企業規模別の回答を見ると、昇給実施の傾向としては大企業が先行しているものの、中小/スタートアップ企業でも「実施または前向き」な企業が60%を超えており、リスキリング後の昇給に対して積極的に検討していることが分かる結果となっている。