日本IBMは3月14日、ニッセイ情報テクノロジーとの協業で日本生命保険が目指すハイブリッククラウドシステムの中核システムとしてIBMのメインフレーム「IBM z16」を採用し、2023年1月から国内初となる本番稼働を開始したと発表した。
これまで、日本生命はIBMメインフレームを生命保険業務の基幹システムにおいて使用しており、近年では機密性の高いデータを取り扱う強固なセキュリティ基盤としても活用してきた。
昨年、日本生命はデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向け、基幹システムをクラウド技術と既存資産を活用したハイブリッドクラウドシステムへ移行し、基幹システムのモダナイゼーションを図る方針を示した。
同社では、顧客との長期にわたる契約を安定的に維持管理するために基幹システムの資産を継承すると同時に、顧客により良い価値を提供できるよう、最新のハードウェア/ソフトウェアを積極的に活用し、継続的にメインフレームの最新化を図ってきた。
これにより、予防保守によるシステムの安定稼働や資産保有の最適化によるコスト削減を実現する一方、ハードウェア暗号化機構(Crypto Express)によるマイナンバー登録・参照業務の運用を開始するなど、IBMメインフレームが有する先進のテクノロジーを活用した顧客への提供価値向上を実現してきた。
直近では、クラウド基盤やオンプレミスのオープン基盤とメインフレーム基盤を統合監視する仕組みの実地検証も検討しており、これらの取り組みはメインフレーム技術者の育成や開発効率の向上にも寄与しているという。