TSMCが2023年2月の売上高を発表した。それによると、同月の売上高は前月比18.4%減、前年同月比11.1%増の1631億7400万NTドルとなり、2月の売上高としては過去最高を記録したという。

2月の売上高が1月に比べて下がったのは、2023年の春節が2月だったこと、ならびに2月の営業日数が少なかったためだという。これにより、2023年の1-2月の累計売上高は、前年同期比13.8%増の3632億2500万NTドルとなり、半導体市場全体では軟調と言われる中であっても、好調に業績が推移している。

シンガポールでの車載半導体工場を検討か?

台湾の電子産業メディアであるDIGITIMESが2023年3月10付で、台湾の半導体サプライチェーンの話として、TSMCはドイツでの工場建設計画を当面見送る代わりに、シンガポールに車載向け28nmプロセスを採用した300mmウェハ工場の建設計画を検討し始めたと報じている

TSMCは、1998年にPhilips Semiconductors(当時、現NXP Semiconductors)と合弁会社「Systems on Silicon Manufacturing(SSMC)」をシンガポールに設立し、現在はNXPが主導権を握る形でファブを共同運営している。ドイツやEUの補助金がはっきりしない中、シンガポールは、補助金だけではなく、土地、水、電気の提供、減税措置などを具体的に示しているため、TSMCがシンガポール工場の建設を優先させることにした模様だと見られている。