キヤノンは3月13日、フルサイズCMOSイメージセンサやXRで用いられるヘッドマウントディスプレイ(HMD)に搭載される広画角かつ高コントラストなマイクロOLEDパネルの製造に最適化した300mmウェハ対応i線露光装置(ステッパー)「FPA-5550iX」を発売した。
同露光装置は、前世代品「FPA-5510iX」でも実績のある1/2縮小投影レンズを採用することにより、画面サイズ50mm×50mmの一括露光を実現しつつ、解像力0.5μmを実現。また、投影レンズを、高品質かつ安定的に供給できる製造方法に刷新したほか、i線露光装置の最新世代となる「FPA-5550シリーズ」のプラットフォームを採用することで、生産性の向上ならびに製造容易性を向上させたという。
また、アライメントスコープに、直射光を測定する「明視野検出」機能に加えて、散乱光や回折光を測定する「暗視野検出」機能を追加したほか、選択できる波長領域の拡大や、エリアセンサを採用し多画素で測定できることで、低ノイズを実現し、低コントラストのアライメントマークでも測定可能。さらにオプションながら、裏面照射型センサの製造で求められるウェハ裏面のアライメント測定として赤外線を活用して対応することが可能だという。
このほか、同社が2022年9月より提供を開始したソリューションプラットフォーム「Lithography Plus」との連携も可能。これにより露光装置の状態を監視、分析が容易になり、露光装置の適切な品質管理や高稼働率を実現することも可能となっている。
なお、同社ではフルサイズCMOSイメージセンサの製造メーカーは当然のこと、HMD向けマイクロOLEDの製造ニーズにも対応を図っていくことで、同露光装置の売り上げ拡大を目指すとしているほか、そうした市場からのニーズを今後の露光装置開発に活かしていきたいとしている。